羽田から北京へ、北京からラサへ。ラサの手前では、雪をちらほら被った山が雲の間から覗かれました。
チベットの8月は雨期。
多分普段は水の流れない所に生えている木なのでしょう。川の中に立つように見える電信柱もありましたから。
ラサ到着当日の自由時間にジョカン(大昭寺)に行きたかったのですが、ツアーガイドの陳さんに止められました。標高3600mを越える場所に来ていきなり動くのは確かに危険な感じがしました。
少し動くだけで息が切れますし、立ち上がるときにフラッと来ることもありました。
ブータンで自分が高度に弱いのは感じざるを得なかったので、今回は無理しません。
高山病予防薬のダイアモックスも服用して、血中酸素濃度と心拍数を測る機械も持参してきました。何としても、標高5000mを越えるカイラスに行きたいのですから。
次の日の朝は気持ちよく起きられたので、朝食の前に街へ出てみました。
ネパールより綺麗です。カトマンズの喧噪と土埃から比べたら何と整然としたことか。バイクも走りますが普通車もたくさん走っています。取得税が車両価格の三倍もするネパールとは事情も違うでしょうが....地域のお寺へ行ってみると、幕の内側で朝の勤行が行われているようでした。幕の下を覗いていると、地域のおばちゃま達が、「入れ、入れ。」と手招きしてくれたので、中に入らせていただきました。
鉢や太鼓の音に合わせて低い声の勤行が響きます。
得も言われぬ雰囲気を醸し出して朝の勤行が行われています。一人のお坊さんがお茶を配って回っているようでした。
私は曹洞宗の外出着である長作務衣を着ていましたので、お坊様方がチラチラと私の方を見ていました。お話ができればしたかったところですが、勤行が終わるまで待つことはできないので朝食に間に合わせてホテルに戻りました。
ポタラ宮
朝食後はポタラ宮です。
チベットの人達がマニ車を回しながらポタラ宮の周りをコルラ(巡礼行為)し、漢人の観光客と観光客目当ての土産物売りや五体投地のパフォーマー達がごった返す入り口を通って、公安さんのセキュリティーチェックを受けて入ります。
階段が随分あって登るのには苦労しました。
上の広場にたどり着いたときには苦しくて冷や汗が出ていました。視界もホワイトアウトしてきてまずい状態になったので血中酸素濃度と心拍数を測る機械でさっそく測ってみましたが、酸素濃度は90%近辺で問題はありませんでした。
後にも先にもチベットでこんなに具合が悪くなったのはここだけでしたので、ほぼ原因不明の出来事でした。
まあ、人人人で、しかも私が苦手な「欲のエネルギー」が充満していたのは事実なのですが.....
後から考えてみて、チベットの田舎のお寺では、尊敬と感謝のエネルギーを置いていく人達が圧倒的に多かったのに対して、ここでは「欲しい欲しい。少しでも得を。」というエネルギーを置いていく人が多かったのが特徴だったかもしれません。
伊勢神宮が人のいない早朝に行かないと、そのエネルギーが分からないのと同じで、ここも人のいないときに行かないと仏様方のエネルギーを感じることができにくいのでしょう。ただ残念なことに、入場を管理されているポタラには人のいない時間はないようです。
ポタラ宮を出て池の所まで来るとホッとします。
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