ラクパ・ラ峠へ
タルシンポ寺を見た後は、チョモランマの見える町、オールドティンリーを目指してひたすら走ります。車窓には壮大な景色が広がります。
ただひたすら真っ直ぐな道を、ただひたすら走ります。
19人乗りですが、私達9人と陳さん、ソランさん、ドライバーさん、公安さんを入れて13人で走ります。
残念なことに高山病でラサにとどまった仲間が1人いたのです。
ヤクが草を食べています。雪解けの清流の流れる川辺で遊牧の民がキャンプを張っています。
遊牧民のテントを見ていると、化学繊維の布(写真左側)のものは少なく、ヤクの毛で織られた生地(写真右側)か、帆布のような生地(左下の写真)が多かったように思います。耐久性の問題なのかもしれません。中にはテントの上にブルーシートをかぶせたものもありました。
ヤクを飼っている遊牧の人達にとっては、乾燥すれば空気を通し、雨や雪になれば水を通さなくなるヤクの毛を織って作った布の方が、安くて高機能なのかもしれません。労力はかかっても買わなくて良いわけですから。
よく見ると上の写真には、赤い服を着た小さな女の子?と母親が写っています。
私達がひた走った道は、G318国道です。
G318国道は、全長5476kmで上海からチベット自治区ニャラム県ダムまでを結んでいます。
ラサからダムまでは中尼公路(ちゅうにこうろ)の一部となります。中尼公路というのは、ラサからネパールの首都カトマンズまで続く道です。
ネパールの震災でネパール側の道路の決壊がひどく、それまでこの道を使ってバスでチベットの巡礼に来ていたネパールの人達が来られなくなってしまったそうです。
復旧まではまだまだかかるだろうな.....
私達が休憩したのは、標高5248mのラクパ・ラ峠でした。
ここは中尼公路の最高地点です。
実はそれまで高山病っぽい症状で、イマイチ調子が良くないとか、のたまわっておりました私ですが、ヤクを見た瞬間にスイッチが入りました。ヒマラヤの雪山とタルチョをバックにヤクがいるのです。しかも、私のためにいてくれたかと思うくらいバスの近くにいるのですから。
ほぼ走ってました....(⌒-⌒; )
興奮した割に大した写真が撮れていなくて情けないのですが、まあ、これがベストショットと言うことで....
観光客相手にタルチョを売る若者 と タルチョを結ぶ僧侶
結構長くて立派なタルチョを1本25元(500円程度)で売ります。結構安く売っているなと思い、我らが団長が共同のお金で買ってくれました。一番高いところに登って付けてくれてなかなかサービスも良いのです。
笑いが絶えなくて、人なつこくて、歌まで一緒に歌う彼らとひと時の楽しい時間を過ごしました。
峠を去るとき、バスからメンバーの一人が見ると、さっきタルチョを縛ってくれていた若者がタルチョをはずしていたそうです。騙されたかな?とも思ったのですが、後からタルチョを町のお店で買おうとすると同じくらいの大きさの物が65元しました。
分かりました。あれは観光客を満足させるレンタルだったのです。
彼らの良心とふところ具合の両方のバランスを取った形での。(⌒-⌒)
半分騙したようでいて、値段は結構安くて良心的。レンタルだと分かれば納得の値段です。
ヤクの放牧で得られる収入は限られているから、ここで観光客を相手に少し儲けて生活の足しにするってことなのでしょう。ヤクの放牧って結構ハードな生活でしょうものね。
観光客が置いていった綺麗なタルチョを拝借してレンタル用に使い回せば、資金ゼロで始められる事業です。生活力旺盛だと好意的に理解してあげることにしました。
オールドティンリー
そして日が暮れる頃、チョモランマを望む町オールドティンリーに着きました。
が、残念なことに、チョモランマは雲に隠れて姿を見せてくれません。
明日の朝に賭けましょう。
と陳さんはみんなを励まします。
が、私達のグループは全くへこんでいません。
なにせ、「カイラスまでの途中はどこに寄っても構わないよ。」ぐらいの勢いのグループなので、なぜここに泊まったのかねえと、陳さんの気遣いに気がつかない人もいます。「ああ、そうか。チョモランマね。」っていう納得の仕方をする人の多いこと。(⌒-⌒; )
明日の朝に賭けることにします。
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